マグネチックスターラーの基礎知識5

回転子(撹拌子の条件)

回転子は撹拌子とも言い、マグネチックスターラーで溶液を撹拌する際に容器中に投入する撹拌羽根の役目を果たします。

スタンダード

形状やサイズなど多く種類のなかでも、ストレートな棒状磁石の外装をテフロンで覆ったもの(写真:上)が一般的な形状です。

両面十字形

ただし、用途や溶液の性質によっては回転子の種類が適切でない場合、回転子の脱調(飛び跳ね)が発生し期待する撹拌ができないことがあります。

オーバル

下記のにまとめた要素を考慮し最適な回転子を選択することで、脱調の防止や、より効果的に撹拌ができます。

 

条件設定に必要な要素

1.溶液を入れる容器の材質

2.容器の内径

3.容器内の液面の高さ

4.容器の底面の形状
  (平底、丸底、中央部の盛り上がり、二重底等)

5.スターラー本体の磁石の磁力の強弱

6.磁石のS極とN極のピッチ(距離)

7.スターラー本体と容器の距離

8.スターラーの使用回転数や撹拌目的 など

不具合の原因

1.容器底が盛り上がっている容器

 回転子の回転軸がズレやすく、回転子脱調(飛び跳ね)の一番の原因となります。

2.スターラーの回転数は一気にあげない

 回転子の回転状況を確認しながら、少しずつ回転を上げます。
 急な高回転設定は回転子の脱調の原因となります。

3.高速回転での使用は避ける

 高速で使用すると回転子の回転軸がズレやすく、脱調の原因になるだけでなく、外装テフロンの磨耗の原因にもなります。

4.磁力の強さとの関係

 磁力の強い回転子とスターラーとの間隔が狭い場合は、引き合う力が強すぎて回転子が引圧された状態で回転をするため、外装テフロンの磨耗を早めます。

5.回転子のサイズ

スターラーの磁石のS極とN極の距離に対して磁力が強かったり、長い回転子の場合には、回転子が中央にセットされにくく、回転軸がズレやすいので回転子脱調の原因となります。

6.回転子の劣化

テフロンの磨耗状態が激しいもの、回転子の磁力の弱まったものを使用すると、安定した回転が得られません。

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